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Column 2017.04.28

住宅地に開かれた、3軒が共有するお庭 -「未来の風景をつくる」プロジェクト

愛知県日進市にある3軒の住宅。真ん中の砂場では、楽しそうに遊ぶこどもたち…。
塀や柵のない、このノビノビとした公園のような場所は、3軒で共有しているお庭なのです。
自分のものだけど、他の人のものでもある?そんなお庭を生み出した「未来の風景をつくる」プロジェクトのお話です。

 

「ソトマ(=外の居間)」でつながる

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2軒の間の地面の段差は腰掛けるのにぴったりな高さ。

 

コンセプトは”豊かなお庭の、ささやかな営み”

それぞれ南側にお庭やバルコニーを配置するのが、いわゆる一般的な間取り。このプロジェクトではそういった常識にとらわれず、3区画のお庭を共有することで公園のようにノビノビとした外部空間をつくることができました。
このお庭は「ソトマ(=外の居間)」と呼ばれ、みんなのリビングのような居場所としてイメージしています。3区画は繋がりあいながらも、そのお庭で家庭菜園をしてみたり、バーベキューをしたり、ゆっくりと本を読んだり…。思い思いの時間を楽しむための場として設計されています。

 

間取りや植木で、家どうしの視線をコントロール

「ソトマ」を囲む3つの住宅は、徹底的な工夫によって3家族の視線が上手にコントロールされています。『室内の段差を利用した間取り』と『植木の配置』が、近すぎず遠すぎず、家族どうしのほどよい距離感をつくりだす仕掛けになっているのです。

 

3軒の住宅のつくりかた

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打合せのために学生たちが制作した住宅模型。

 

こちらの3区画はすべて注文住宅で、建売住宅ではありません。用意された基本の間取りに共感していただける方へ「建築条件付き」(※注)で販売するという企画をなごや百貨不動産が行いました。
最終的な間取りは建て主さんのご要望を反映させたもの。共有のお庭の使い方は、3家族を交えたワークショップで話し合い決定しました。

(※注)『建築条件付き』:指定された設計・施工会社で建てることを条件に売買される土地のこと。

 

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2013年当時、プロジェクトメンバーの集合写真。

 

大学生とスペシャリストのチームによる設計

この「ソトマ」のアイディアや3つの住宅プランは、「未来の風景をつくる 第一回学生実施コンペ」で多くの参加者の中から優勝し、設計者として選ばれた名古屋大学の脇坂研究室が提案したもの。 実施設計にあたっては、大学研究室に加えて、建築家、環境設計の研究者、構造設計の専門家という強力なチームで取り組み、何度も打ち合わせを重ねながら、3つの住宅を完成させました。

 

「未来の風景をつくる」に込められた思い

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研究室の学生と3家族を交えたワークショップの様子

 

アイデアを公募で行い、挑戦的な住宅地の販売と学生の実践的教育という大きなテーマに取り組んだこのプロジェクト。学生たちに実践的な経験を積んでもらうことと、既成概念にとらわれない豊かな暮らしを提案したい!という思いに共感してくださったお客様と一緒につくりあげました。今後も、毎日を楽しくわくわくするような暮らしを提案していけたらと思っています。

 

未来の風景をつくる 第一回学生実施コンペ 住宅プロジェクト
「ソトマで育てる ソトマでつながる」

設計:名古屋大学 脇坂圭一研究室(当時)、笹野空間設計

企画監修:なごや百貨不動産

設計協力:藤尾建築構造設計事務所、名古屋大学飯塚悟研究室、ライティングスタジオLUME

 

愛知まちなみ建築賞、中部建築賞、すまいる愛知住宅賞 愛知県知事賞 受賞

◎新建築社 住宅特集 2016年4月号掲載

◎日経BP社 日経アーキテクチュア 2016年6月23日号掲載

 

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